平田式温熱療法の歴史的背景

平田式熱心療法

平田内臓吉先生が開発

平田式熱心療法とは、平田内臓吉先生が昭和の初めに鍼と灸を合体した機器で、鍼と灸の持つ利点を同時に行使して施術効果が期待できる療法を開発しました。

当時の機器はブリキで作った漏斗に石綿を詰めアルコールを注ぎ点火するという原始的なもので、温度のコントロールもできない代物でした。しかし、その効果は絶大で昭和の初期に雑誌 [主婦の友] に記事として取り上げられたことや治療効果が良好だったこともあり全国的に広まったようです。

平田先生は医者の免許は取得できなかった

平田先生は医者の卵という立場もありながら、得体の知れぬ温熱器を駆使していろいろな疾患を治したうえに、特許も取得し [主婦の友社] の販売協力得てかなりの利益を上げたこともあり、学校からにらまれ、卒業の1週間前に退校処分になったため、平田先生は医者の免許は取得できなかったようです。

あらゆる疾患に挑戦

当時の世相は軍事色一辺倒で、医学界でも東洋医学は西洋医学に主流を奪われ、鍼、灸、指圧などの施術は片隅に追いやられ鼻もかけられないような悲惨な状態にあったようですが、平田先生氏は自己の信念を曲げずその普及に努め,神経病、脳、せき髄疾患、消化器疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、泌尿器疾患、皮膚疾患、眼病疾患、運動疾患、生殖器疾患、婦人科疾患、小児科疾患等々あらゆる疾患に挑戦して驚くような効果を上げております。

国粋主義者である彼は年甲斐もなく応召し残念ながら昭和19年の沖縄戦で亡くなっております。しかし、彼のお弟子さんがその伝統を脈々と引き繋ぎ [マジキュー] でおなじみの原田工業株式会社に製造を委託し、電動温熱器として4年前にその製造が中止されるまでの約50年にわたり温熱機器を世に送り出しておりました。

進化した平田式温熱療法の機器

日本温熱療法研究会 小栗会長も17年前にこの機器と出会い、その効果に驚き普及に努めてまいりました。

日本温熱療法研究会 小栗会長

小栗会長

長年の伝統を受け付きながら新しい機器の開発を始め3年の歳月をかけ、2012年より [HIRATA・KUN] なる名称で温熱器をようやく完成させ温熱器の発売に踏み切りました。新機種開発のコンセプトはデジタル化を図り、コンパクト化することにより手軽に持ち運びが出来るようにしました。 更に、ACアダプターを採用することで世界のどこにでも持参し変圧器なしで使用出来るようしました。

平田式12反応帯

12hannoutai
平田先生の最大の功労は12反応帯という論理を発見したことです。
12反応帯とは内蔵の血流が悪くなると内蔵の機能が低下し、ミクロの段階のことですが、内蔵温度が微妙に低下するといわれております。そのような現象が現れますと、それが脊椎の自律神経を介して皮膚の上に過敏帯を形成するということです。

平田先生は人体を両腕、両足、胴体、頸、頭と5段階に分割し,更に、分割された部位を12等分して、それぞれの同番号のところは整体電流で繋がっていることを発見しました。これこそが平田熱鍼療法の神髄といえます。

具体的に言えば、区分された人体図をご覧いただければ解るよう、
手のひらを4等分、手首から肘まで4等分、ひじから肩口まで4等分します。いわば、腕を12等分すると各々の等分された部位にそれぞれ内蔵名を命名しております。

手の指の部分を均等割りして指先の部分を生殖器―№12 次の部分を膀胱―№11 手の甲を等分して、手前の方を小腸―№10 後の部分を大腸―№9 手首から肘を均等割り4等分して、手首の方を腎臓―№8 次を胃臓―№7 次をすい臓―№6 次は胆のう―№5 ひじから肩口まで均等割り4等分して、ひじの上を肝臓―
№4 次を心臓―№3 次を肺―№2 次は気管支―№1 という具合に12等分されます。

身体の皮膚反応をフル活用

両腕、両足、胴体、頸、頭もすべて12に区分され、同じ番号のところは前述したように整体電流で繋がっており、後で述べますが、熱したコテで過敏になっている部位をたたくか、軽く押し付けますとものすごく熱く感じられる部位の内臓の機能が弱っているとみなします。

平田式の施術方法は温熱コテを使用して、12反応帯で激熱く感じられた内蔵の部位に向かい、皮膚の上から軽く熱刺激を送り、内蔵の血流を高めることが最大のポイントになります。

コテで皮膚の上を軽くたたくか、押さえたとき非常に熱く感じる部位があると申し上げましたが、手、足、胴体、首、頭にある同じ番号の関連部位を手で押さえると不思議なことに熱さは半減します。

これは体に流れている整体電流が、押さえることにより遮断して、アースの様に電流が中断するため、熱さも半減する事を意味しております。

平田先生は12反応帯をどのようにして発見したのか文献に何も残していないため、これは未だにミステリアスな状態にあります。

平田式温熱療法の理論的な背景

平田先生は彼が考案した温熱器で、いろいろな方の疾病を治した実績は疑いようもありませんが、理論的な背景はいろいろありますのでこの機会に説明したいと思います。

古い話で恐縮ですが、昭和初期に九州大学の原博士は我が国が昔から行われている灸の研究で、皮膚の上から連続的に熱刺激を与えていくと、赤血球の数、ヘモグロビンの量が驚くほど増加して、さらに熱刺激により白血球が急激に増加し、喰菌作用を始めるため、病気治療には有効だという事も発表しております。

更に、京都府立医大の青地博士は著書「灸の白血球並びに血清に及ぼす影響」の中で、施灸後15分位経過すると白血球の増加が始まり、1時間から2時間で平常の2倍になり、4~5時間でやや減少するが、8時間から12時間経過すると再び増加して2.5倍以上になり、平均して4~5日は続くことを発表しています。

増加するのは主として中性多角性白血球で、病的な場合にみられる種々の病的白血球ではないことは言うまでもありません。

最近の例では,東京老人総合研究所の内田主任研究員は、ラットに灸や鍼を施し、脳の血流がどのように変化するかを調べた結果、頬に1分間灸を打ち続けたところの脳の血流が10~20%増え、更に、鍼を打つ部位を手と足に変えても同様の結果が出ました。灸であれば、30秒で脳の血流が10~20%改善したことを発表しています。

このようにいろいろな先生方より、いろいろな研究成果が出され証明されておりますので、平田式熱鍼療法も科学的に裏付けられているものと確信しております。

脳こうそくのリハビリや医者から見捨てられた重度の患者がこの施術法で回復した事例が多々ありますが、これも白血球によるものではないかと推測しております。

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